米国の調査によると、今回のコロナ禍の影響で、友人や仲間と交わったり、支援し合ったりすることが激減した日常生活と働く環境により、労働者の73%が心理的ストレスを経験し、77%が身体的ストレスを経験している、そして、従業員はこれを重要視しているとのことです。ストレスの多い職場の2つの大きな副作用は、生産性の低下と離職率の増加であり、最終的には燃え尽き症候群(Burnout)につながっていきます。
このようなストレスの増加した働く環境の中、組織と業績の両方を守るために、会社としては社員のメンタル面と身体面の健康を強化増進すること、即ち、レジリエンシー(強靭な回復力・撥ね返す力)を高める施策を打つことが急務なのです。は、社員のレジリエンシーやウェルビーング(幸福感)を高めるための基本原則とアプローチをご紹介します。
レジリエンシーの重要性と高め方
レジリエンシーとは、人生のあらゆる局面でのトラウマ、悲劇、危機、などの問題や課題を克服し、より強く、より賢く、より強力に立ち返る能力です。
コロナ禍の影響でこれまでのように仲間と接することができない、ほしい情報がとりにくい、アドバイスが得にくいという精神的ストレスだけでなく、コンピューターのスクリーンを通した毎日の過度のオンラインでのコミュニケーションは実は眼精疲労を極度に高め、脳の集中し考える力も低下させます。
このような精神的、マインド的、肉体的な疲労は徐々にストレスを高め、免疫力も低下させていきます。
ですから、変化の多い、不透明なコロナ禍のニューノーマルの時代には、レジリエンシーが重要なのです。レジリエンシーを高めることにより、より客観的に現実を捉え、ポジティブに物事を考え、業務を推進することができます。
レジリエンシーを高める習慣
多くの調査で分かっているように、私たちは危機や難関を乗り越えながらレジリエンシーを強化していきます。私の博士論文のための研究でも、業績だけでなく、組織力も強化し続けているディレクターやシニアマネージャーはそうでないリーダーと比べ、はるかに多くの難関を克服していました。つまり、コロナ禍の今こそが、自身の、また、社員のレジリエンシーを高める絶好の時なのです。
では、まず自身でできるレジリエンシーを高める4つの習慣をご紹介します(フォーブズ誌より抜粋)。
1.好機を把握:どんな状況においても、まず機会を見つけること。ポジティブ・マインドを持ち、危機や問題に際して、成長や問題解決の機会を見出すことはレジリエンシー強化の基本的習慣です。
2.ネットワークの強化:ストレスを感じるときこそ、相手の言葉に耳を傾け、情報やアイデア共有を行い、支援します。 関係性の強化と共に、自身の精神的充足感とウェルビーングが高まります。
3.健全な情報を収集: 真実と建設的な情報やアイデアで武装します。SNSやニュースサイトを見直し、否定的な情報/根拠のないメッセージを封鎖し、よりポジティブなものに置き換えましょう。
4.フォーカス・計画・行動:目の前の問題に包括的、且つ、細心の注意を向け、解決策を考え、決断します。 大きな難題に直面したとき、また、懸念や不安感に襲われたときに、視野を広げ、現実を客観的に見つめ、問題にフォーカスし、計画を立て、行動を起こし、前進します。
多くのレジリエンシーの高いリーダーはこれらの習慣を実践しているようです。
今回は、個人でできるレジリエンシーの高め方を紹介しました。次回は、組織としてレジリエンシーを高める施策をご紹介します。
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