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変化の時期こそ企業文化の再構築!

コロナ禍の影響で、人々の毎日の暮らし、行動、消費習慣は、コロナ以前とは様変わりしてますが、皆様の組織では、社員の働き方やマインドにどのような変化が起きているのでしょうか?

 

危機や大きな変化の時は、各々の組織の真実の瞬間が良い面・よくない面、いろいろな形で見えます。強い組織文化を持ってる企業であれば、社員は変化への耐久性も高く、ともに協力しながら、対応策を講じ、組織とビジネスを回復していきます。逆に、組織文化がよくなければ、弱い部分が露呈し、コミュニケーションに亀裂が入り、協働の糸がほどけ、組織力と共にビジネスも下げていく現象がよく見られます。どちらの場合においても、外部変化や危機は組織の現状と将来を見直し、企業戦略と共に組織文化を強化・変革する重要な機会となります。

 

先般、コロナ禍において戦略を見直し、オペレーションを変え、ニューノーマルのためのオフィスとテレワークの体制を整える必要性を述べ、対応策をいくつかご紹介しましたが、本号では、もっと重要となる企業文化の強化を主要テーマとしています。故ピーター・ドラッカー氏が、「戦略は企業文化にとって食われる」と示唆しましたが、ビジネス戦略をいくら強化しても、その戦略の実行を組織文化によって阻止され、計画倒れになることはよく起きています。変革の7割が成功しないといわれる原因の一つでもあります。

 

組織文化とは、組織内でよく見聞きされる感情、マインド、考え方、言動、行動様式、エネルギー、また、社内で見られるもの(部屋、机/机のレイアウト、壁、ポスター、調度品など)も含んでいます。皆さんもいろいろな他の会社を訪問したことがあると思いますが、受付やロビー、廊下を通る社員の雰囲気で組織文化を垣間見たことがあると思います。メンバー全員がプロ意識をもって積極的に考え、イキイキ動き、部門を超えて協働し、組織のミッションやビジョンの達成のために貢献していく組織文化もあれば、逆に、活気がない、自ら考えない、上から言われたことしかしない、他部署のメンバーとはあまりコラボレーションはしない、会社のミッションやビジョンは腹落ちしていなく、そこに意識はない、という企業文化もあります。後者であれば、おそらく、部門と部門の物理的距離や壁も存在し、オフィスのレイアウトや机も互いに話しやすくはなっていない、会社の価値観や信条などのポスターもあまり貼られていない可能性もあります。

 

現在の皆さんの会社の組織文化にはどのような感情(エネルギー)、マインドや行動様式の特徴があるのでしょうか?それは、ソーシャルディスタンスを考慮し、テレワークを取り入れたニューノーマルな働き方に適したものでしょうか?強化・修正した企業戦略やビジネスプランを的確に実行していくためにふさわしいものでしょうか?日本の会社員のエンゲージメント(会社や仕事に対するコミットメントや愛着心)は世界で最下位クラスであることを考慮すれば、多くの

会社で組織文化の強化改善の余地があると考えられます。

 

多くの組織文化は、本来、創業者の考え方や世界観、価値観が重要な原点となっています。創業者が亡くなっている企業では、後継者、また、現在の経営者、経営陣が企業文化を維持・推進し、マネージャーも現場で企業文化を推進しています。もちろん、戦略や制度、しくみ、プロセスも企業文化に影響を与えますが、やはり一番大きな影響を与えるのは、リーダー(経営陣)とマネージャー層です。(戦略やしくみを変えても、リーダー達の考え方と行動が変わらなければ、基本的な企業文化は変わりません。)

 

仕事でも、毎日の生活習慣でも、多くの場合、人は慣れ親しんでいることを変える変化をあまり好みません。私たちの毎日の行動の半分は「自動運転/オートパイロット」で行っている、という調査結果がありますが、できるだけ余計な負荷やストレスをかけずに過ごすことが基本的な行動となっています。企業文化を変えるには、プロジェクト・マネジメント(プロジェクト自体の管理と推進)よりも、チェンジ・マネジメント(人のマインドと行動の管理と推進)のアプローチと原則も重要になります。本号が、皆さんの企業文化をニューノーマルなビジネスと働く環境に適したものにしていくための一助になることができれば何よりです。

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