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ダイバーシティを高め、エンゲージメントと生産性を高める

ギャラップの調査でも証明されていますが、生産性の高い企業は、社員エンゲージメント(会社や仕事への愛着とコミットメント)の高い会社です。社員エンゲージメントの高い会社は、社員全員の考えや能力を尊重し、フルに活用しています。そして、異なった考え方や発想を取り入れることが組織内で継続的な改善やイノベーションを実現することにつながっています。LGBTは、多様性の活用を更に広げるための重要な要因です。近年のグローバル経済の中では、企業・組織のパフォーマンスを高めるために、多様性をどれだけ活用できるかが重要なものになっています。実際、グローバル優良企業であるP&GやGEでも、LGBTの働きやすい会社創りを行っており、LGBT支援組織のヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)からも表彰されています。

 

健全な組織にとって重要な基本原則に「すべての個々人の尊重」があります。私の前職P&Gも人に関する理念の第1行目にこの原則をあげていました。別の言い方をすれば、国籍、人種、宗教、性別、そしてLGBTなどすべての観点から「差別のない職場」のことです。すべての社員が尊重され、活用されれば、能力とパフォーマンスを最大限に発揮でき、結果、組織のパフォーマンスも高まります。

 

調査報告にあるように、会社におけるLGBT社員の課題には、本当の自分を出せないこと、本音のコミュニケーションが取りづらいこと、いじめなどによるストレス・不安・健康を害することなどがあります。LGBTプログラムを導入することにより、LGBT社員の「仕事への満足度」「仲間との関係」「健康度合い」そして「生産性」が着実に向上しています。より多くの社員のエンゲージメントが高まることにより、会社全体のエンゲージメントも高まっていき、ひいては、会社全体のパフォーマンスも高まります。

LGBT支援のために会社として最優先で行えることが3つあります。

 

1.「すべての社員を尊重する(差別は許さない)」という基本原則の徹底。多くの日本企業、外資系企業で、「人材は重要な資産」と言っていると思いますが、まずは、経営理念や企業価値観、行動原則、または、ビジネス行動(Code of Conduct)マニュアルの中に「すべての個人の尊重」を取り入れ、LGBTを含む、社員全員の相互尊重を啓もうすることが重要です。エンゲージメントの基盤は、個々人の様々な多様性にもかかわらず、互いを尊重、理解、支援することにより構築できます。差別のある組織では、エンゲージメントも生産性も高まりませんし、持続できません。

 

2. 多様性(ダイバーシティ&インクルージョン=D&I)などの研修で感受性と対話力の強化向上。LGBTは多様性の1つですから、D&Iプログラムの一環として行うことをお勧めします。目的は多くのD&I研修と同様、自らの偏見や差別の現状認識、LGBTの現状と抱えている課題、差別や偏見の生み出すコストの理解、偏見を軽減し、協働を高めるためのコミュニケーション・スキルの習得や向上などです。D&I研修にLGBTを取り入れ、まずは、経営陣、そして、管理職、最後に社員全員が受けるようにします。

 

3. LGBT社員を差別しないように、制度/福利厚生の修正。日本の企業の社内規定では、憲法の認める異性同士の結婚の際の配偶者が、家族の対象となっていますが、LGBTのパートナーは対象となりません。LGBT支援を心掛けている企業では、社内規定にある「配偶者」を「配偶者、または、パートナー」と修正し、LGBTのパートナーのいる方にも、結婚祝いや弔慰金、慶弔休暇、国民健康保険補助などを受けることができるようにしています。これによって、LGBTであることによる不利益を生じさせないことができます。

 

上記以外にも、LGBTコミュニティの設立やトランジション支援など、より積極的にLGBTを支援している企業もありますが、まずは前述の基本的なことから始めることをお勧めします。多様性を本当に受け入れることができなければ、多様性の活用(D&I)はできませんし、エンゲージメントと生産性の高い組織創りは達成できません。是非とも、全社員が活躍できる会社創りを行ってください。


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