HOME > Blog > 「」

文化的インテリジェンス豊かな組織を作るうえで、社員が高い文化的インテリジェンスを発展させ積極的役割を果たすよう手助けするために、HRが取りうる方法には、どういうものがあるか?

 

今回は、組織内に文化的インテリジェンス(CQ)を社内に導入する際の基本的なステップをご紹介します。

 

  • ステップ1. ビジネス・ケースの確立: サイモン・シーニック氏も言っていますが、まずは「なぜ」を明確にするビジネス・ケースを確立します。例えば、ビジネス戦略そのものがグローバル化に変わったのに、組織文化が追い付いていないので戦略の導入に支障をきたしている、ということかもしれません。または、社員に文化的な背景の異なる非日本人が増えてきている、また、そうではないが、正社員、契約社員、アルバイトなど雇用形態も文化も異なる人たちが存在するが、文化的インテリジェンスが欠けているために、コミュニケーションがうまくいっていなく、ビジネスに支障をきたしている、ということかもしれません。ビジネス・ケースを確立するには、会社のスコアカードのチェックや組織サーベイや社員のグループインタビューを行い、現状の課題とビジネス・ニーズを数値化することは重要です(私は前職P&Gで変革プログラムを導入する際は、スコアカード、社員意識調査やインタビューなどのデータを活用していました)。そして、経営陣に対し、上記のデータを活用し、ビジネス・ケースを確立し、社員のCQ強化のためのプログラムの開発と導入を承認してもらいます。承認が取れれば、経営陣から、変革のメッセージを全社に発信してもらいます。
  • ステップ2. 変革チームの結成とCQ課題解決のためのプログラムの開発: 大きな組織の変革プログラムの導入には、人事メンバーを中心にクロスファンクショナルな変革プロジェクトチームを結成することはよくあります。チームチャーターを作成し、目的、ゴール、メンバーの役割、プロジェクト管理方法などに関してチーム内ですり合わせをしておくことをお勧めします。また、プロジェクトメンバーは組織開発や変革に関する理論、原則、知識、スキル、プロセス、ツールを事前にしっかり身に着けておいたほうが効果的にプログラムを推進できます。もし全社で行うのであれば、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)プログラムの一環として行うのも、良いと思います(人事的にはあまり新語を増やさないほうが無駄な抵抗は少なくなります)。また、一番ニーズの高いグループや組織があるのであれば、そこへのプログラムを先に開発するのもよいでしょう。例えば、前職P&Gでは、最初の紙製品の工場を作るときに、米国から技術移転のための多くの米国人が日本に長期的に滞在しましたが、その際、米国人だけでなく、受け入れる日本の工場側にも「異文化間協働プログラム」を作り提供し、文化的な摩擦を軽減し、協働の促進を図りました。
  • ステップ3. 経営陣の支援の確立:プログラムの開発が完了すれば、まずは、経営陣に対し導入し、彼らのCQ強化を図り、かつ、社員のロールモデルとなることへのコミットメントを確立することが重要です。多くの変革失敗の原因がトップのコミットメント、行動変革、支援不足と報告されているように、これを飛ばしては、変革の成功確率は大きく下がります。さらに重要なことは、具体的なロールモデルとなるCQ行動を彼ら自身が決め、実際に率先垂範していただくことです。リーダーの行動が変化し始めると、社員も変わらねば、というモードになっていきます。
  • ステップ4. 組織全体の巻き込み:経営陣が変化を始めたら、組織全体の巻き込みを開始します。基本形から考えると、まず、マネジャー、次に全社員に基本的CQ強化プログラムを導入します。また、CQ強化活動のモメンタムをつけるために、いろいろなCQ強化のイベントやしかけを定期的に導入していきます。
  • ステップ5:プログラムの導入後は、定期的に、社員の行動変化やビジネスへの影響を測定し、社員に対し、進捗と成功事例の共有をイントラやSNSなども活用しながら行い、さらに変化へのモメンタムをつけていきます。年次ミーティングやタウンホール・ミーティングでの発表も効果的です。

尚、CQ強化やD&I強化において欠かすことのできない内容は、「自国文化の理解」「バイアスの理解と共有」「バイアスを軽減するスキル」「多文化間でのコミュニケーションと協働のスキル」などがありますが、座学ではなく、ケースやロールプレーを多く取り入れて着実に社員のマインドと行動を変えていってください。では、皆様の変革プロジェクトの成功と組織文化の強化を祈念しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です