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リーダー開発のための海外体験プログラム

グローバルリーダーの育成のために、異文化体験プログラムを社内で実施されている企業は増えてきましたが、変化の激しいグローバル経済の中で人材育成を加速させるためには、たいへん重要な企画の一つです。このようなプログラムを効果的なものにするために国外体験プログラムで必ず取り入れてほしいものの上位5つですが、(1)実際のプロジェクトの達成、(2)異業種交流とネットワーキング、(3)ホームステイ、(4)異文化間コラボレーション研修、(5)進捗と成長の発表です。

 

1)実際のプロジェクトの達成:「成長の7割は仕事から」といわれるように、まずは異国で様々な文化を持った人々を巻き込み、自らリーダーシップを取りながら「実際のプロジェクト」を自ら計画し、実行し、達成するような体験が不可欠です。重要なポイントは作業やパーツではなく、一つの仕事をマルマル完結させる過程を体験させ、その人なりの変革を起こさせることです。その結果、新たな方向性を示し、いろいろな考え方や文化背景、利害関係を持った多数の方々と信頼関係を高め、関係者の意見を取り込み、浸透させ、チームワークを高めながら、目標を達成するグローバルリーダーシップ能力が高まります。

 

2)異業種交流とネットワーキング: 2つ目は、一つの企業や業種の中だけでは、ものの考え方や能力の広がりは少ないので、異業種、特にリーディング企業では何をどのように行っているのか、そこでの価値観や文化はどのように維持・醸成されているのか、他業種の人間はどのようなモノの見方をしているのか、人生観はどのようなものか、などを体験・体感する機会を十分に持たせることです。他社訪問を行うことだけでなく、いろいろな異業種の専門家たちが集うような場に参加させ、ネットワーキングを行う体験をしていただくことは、幅広くその国のビジネス慣習や物事の進め方を理解するのに役立ちます。私は、P&Gでの人事ディレクターとしての台湾赴任時代は、台北の米国商工会議所の集会やマーケティング関連の現地協会の行事に参加して、ビジネス慣習や考え方の理解を拡げていました。

 

3)ホームステイ: ホームステイは異なった文化を知るには欠かせない体験です。他国の人の実際の生活ぶり、家のつくり、所作の在り方、家族の在り方、などを実際に肌で触れることにより、その国の文化をよりよく知ることができます。例えば、短期留学にしてもアパートに住むだけでなく、寮に住み仲間と生活する、ルームメートの家に長期休みなど一定の期間、一緒に住むことにより、私自身、米国留学時代に多くの現地の人たちの家庭に泊まることにより、アメリカという国、その文化や価値観の理解が深まったことを体感しています。

 

4)異文化間コラボレーション研修: この研修(というよりもワークショップですが)は、自国文化の再認識と相手文化の基盤となることを理解し、どういう考え方・モノの見方、マインドセット、コミュニケーションをとることにより、より効果的に意思疎通が図るかの基本を習得するものです。前職P&Gにおいては、海外から赴任してきた方や海外に赴任する方に対し、通日間掛けて、異文化間コミュニケーションスキルを高めるプログラムを実施し、現地でのコラボレーションを高める素地を醸成していました。基本知識と実践的な技を習得することは本当に重要です。ちなみに、P&Gが80年初頭に工場建設、及びテクニカルトランスファーのプロジェクトの際に多くの技術者を海外から長期滞在してもらうために呼びましたが、その時以降、海外から日本へ赴任する際、また逆に日本から海外に赴任する際に、2~5日間の異文化間コラボレーションワークショップを必ず開催し、赴任されるご家族の方々も含め、新しい異文化の環境で効果的に仕事と生活ができるように準備して頂いていました。

 

5)進捗と成長の発表: 最後は、進捗と成長の発表の機会を与えることです。振り返りと学びの発表は、人の成長を大きく支援します。プログラム完了後の最終発表だけでなく、途中経過の振り返りと成果・学び・成長や今の課題の発表も重要です。ここで、適切なコーチやメンターも重要な成長支援者となります。

 

上記5つを取り入れていただければ、確実に参加者の方々のグローバルリーダーシップの強化変革を達成できます。

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